一般的にマッサージと言われているのは、中国発生の『按摩』、フランスから導入された『マッサージ』、日本独自の『指圧』を総称したものです。按摩は『揉む』、マッサージは『さする』、指圧は『押す』という手技が中心となり、『揉む』『さする』『押す』という手技が混合されたものを言います。
この『マッサージ』を行えるのは、医師と『あん摩マッサージ指圧師』の国家資格を持っている者のみです。
整体師や柔道整復師は『マッサージ』を行う事が出来ません。
このあん摩マッサージ指圧師が行うマッサージの効果は、大きく分けて3つあります。
まず1つ目は、血液循環改善です。
マッサージをすることによって血行が良くなり、全身の細胞に酸素や栄養を運び、また老廃物を運び去り、新陳代謝を良くします。
新陳代謝が活発になることで、筋緊張や浮腫みを和らげ、痛みや『こり』の原因となっている発痛物質を除去し慢性痛や疲労状態の悪循環から解放さていきます。
関節についても、関節周囲の筋肉を柔らかくすることで 関節の動きをスムーズに保つことが出来ます。
2つ目は、神経に対する効果です。
神経は穏やかな刺激を加えると亢進し、強い刺激を与えると抑制します。
麻痺性疾患に対しては機能を亢進させる目的で軽い刺激(軽擦法など)で行い、や痙攣性疾患に対しては鎮静する目的で強い刺激(圧迫法など)で行うことで、治療やリハビリを行います。
ここまで説明した2つの効果は、施術を受けた方がその場で自覚できる効果だと思いますが、もう一つの大きな効果があります。
それは自律神経を整えるという事です。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、自分の意志でコントロール出来ません。
朝起きてシャキッとするのは交感神経の影響で、生活の中でストレス状態にあるときは交感神経が優位になっています。
マッサージをすることで、心地よくなり、副交感神経が優位になってストレス状態からリラックス状態になります。
そうすると、目の焦点が合ってきたり、胃酸の分泌が増え、胃腸の働きが良くなったり、血管が拡張して涙が増えるなど体の機能が改善されていきます。また、この副交感神経からアセチルコリンという物質が分泌され心臓の鼓動を遅くし、血圧を下げていきます。
更にそのアセチルコリンが免疫細胞にあるアセチルコリンの受容体と反応し活性化させ、ウィルスや癌を攻撃するリンパ球が増え活発になる事で免疫力が向上します。また、基礎代謝が活発になる為、体温が上昇し、免疫細胞が活性化します。
というように、マッサージを受けることで痛みや神経に対して更には自律神経を刺激して、体の機能改善、血圧低下、免疫力向上など良い効果をもたらします。
これらの良い効果があるマッサージは、慢性痛の方や疲労状態の方、神経の疾患がある方などに効果があると言えます。
また、自分自身で血液循環を改善する事が困難な、活動性の低い高齢者や寝たきりの方にも、マッサージで血液循環を補う事が有効と言えます。
2020年08月18日 15:42